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日   時
2007年 4月15日   前夜発
山域 ・ 山名
北ア  針の木岳  扇沢 〜 針の木雪渓 〜 マヤクボ沢 〜 山頂 往復
形  態
山スキー     メンバ : 稲葉 
 行  動

扇沢P6:30 〜 大沢小屋7:15/30 〜 マヤクボ沢出合8:35/9:00 〜 マヤクボのコル10:30/45 〜 針の木岳11:35/50 〜 カール上のコル12:05(滑り出し) 〜 中間の台地(雪崩れ跡確認) 12:15/30 〜 マヤクボ沢出合12:45/13:10 〜 扇沢P13:40

 天気は快晴だったが、マヤクボカールで雪崩事故。
   こんな大きな雪崩を見たのは初めて、なんとなく気が重く、困ったものです。

 

沢に降りて.. すがすがしい朝

 

 

爺ヶ岳、雲一つ無い快晴

 

 

蓮華岳
大沢からのデブリも多い

 

 

針の木
デブリが多く歩きずらいが、まっさらなマヤクボカールを望みルンルン気分。
今シーズン初めての上天気!

 

 

マヤクボ沢出合について

 ここに着いたときは先頭、と思っていたが、上に2人パーティ確認。
左側を登っていてカールを直接目指しているようだ。 雪崩を直接見てないので断定できないが、事故の記事や時間帯から巻き込まれたのはこの方達だったと思う。 
 

 

 

こちらは、針の木峠。 

デブリ後が確認出来る。 結局、谷底は下からここまでデブリでつながっている感じです。

 

 

マヤクボ(右俣)のコル目指して

雪が硬いので出合からはクトーをつける。 コルまでの斜面は割と締っていたし、天気も良かったので、この頃から警戒心が欠落していた...

 

  コルに着いたのが10:30、雪崩はその頃起きたようです(後で聞いた時間では)。 ただコルからは山頂向こう側のカールは見えず、中間台地のすぐ下も見えないので、この時点で全く気付かなかった。 
 ここからスキーを外し、アイゼン、ピッケルで山頂を目指すが、ザックのスキーが風であおられたり、いやらしい岩・雪のミックス登り(ルートを間違えてた)に四苦八苦する。 
 途中で後から誰も登って来ないことと、マヤクボ沢出合に人が集まっているのが見えてて変だなー、 その内ヘリを確認しても、なにかあったのかなー と なぜか呑気に構えていた

 

 

山頂に着いて、鹿島槍

 

 

 

 

立山

 

 

遠く槍

 

  山頂で360°の展望を楽しんだ後、アイゼンのままカールの滑り出し地点へ向う。 先行してた人は頂上直下岩の間のエクストリーム系を滑り降りていた。 途中でスキーを履き、黒部側を巻くようにコルまで滑り、そこからお楽しみカールへ滑り込む。 
 最初左側の先が切れてるように見えて変だなーと思ったが、雪はふくらはぎ程度のちょっと重めだが気持ち良いパウダー... あまり気にせずに滑り降りる。  途中から新雪の下にアイスバーンがあるのが分り、ヤバイかも。。。と、 ここで初めて危機感を抱く(遅すぎですね! 滑り込む前に感じるべきだった)。
  
中間台地の少し上で一息、そこで左をみるとデブリがびっしり....すごいことになってる。 

 

自分のシュプールと雪崩跡
デジカメの露出、完全にオーバーしてる。 補正したがこの程度で良く写っていないです。

  台地にいた人に話を聞くと、雪崩事故があり数人が巻き込まれヘリで2人運ばれたの事。 変だなーと思っていたことがようやく結びつき理解できたが、そのすぐ脇を滑っていたとは。。。  知らぬが仏。 とは言うがなんと非常識な所を滑って来たのだろうかと ゾッとしてしまう。

 

カールの半分くらいが、切れ落ちてる
幅100mはありそう

 切断面左下の黒い点は人です。 落ちた後だから大丈夫だろうけど、良く登る気になると思う。 


 

右俣側から見て

 

 

針の木・マヤクボ沢出合まで降りて
雪崩の末端は中間台地を乗り越えてここまで来ていました。
標高差400m、距離にすると1Km近いかも知れない

 怪我をされた2人パーティは稜線直下からここまで1Km近く流されて(直接見てないので推測です)、良く骨折と打撲程度で済みました。 雪が比較的軽く柔らかかったのと中間台地の段差でデブリの大半が止まったおかげだと思いますが、不幸中の幸い、奇跡的です。

 

 

谷底はデブリ
右岸沿いを滑り降りる

 

 

下まで降りてきて
朝と違うのはカールの雪崩跡か!


雪崩が無ければ、「極上天気の中、快適な滑りを満喫できた...ルンルン!!」 と終わる一日なのだが、以下、自戒をこめて、 (素人判断です)

* 教科書に良く出ている典型的な面発生表層雪崩。 凍った雪の上に13日(金)〜14日(土)朝に通過した低気圧で積もった新雪が雪崩れたもの。 原因は2人パーティが入り込んだ事による刺激。

* 切れた範囲は、稜線からカール側に雪庇が張り出していた範囲とほぼ同じ。 たぶんコルの右と左では雪の状態がかなり違っていたと思う。 滑った右側(上から見て)は滑り出しこそ深めのパウダーだったが、途中(ガリッとアイスバーンを感じたあたり)からはスキー靴程度の湿雪。 ヤバイとは感じたが、台地近くまで降りると雪崩れる雰囲気は感じられなかった。 

* 低気圧通過の雪は気にしていたが14日は晴れていて、丸一日経っていれば大丈夫だろうと思っていた。 後で分かったが実際の14日は下界は晴れていたものの山の回復は遅れ雪・ガスだったようです。
 
* 登りに使ったマヤクボのコル側の雪が大丈夫そうだったのと、稜線の雪が割と締っていたので、(それと天気)、途中から警戒心が完全に欠落していた。 ビーコンも持っていたが着けていなかった。

* たぶん、カールの雪崩れた左斜面(雪庇の下側)に入り込まなければ雪崩は起きなかったかもしれないが。 ピットを掘りながら登るとか、常に警戒心を持ち雪の状態の確認が必要でしょう。

* もし、2人パーティが登っていなかったとすると!!
 順番的には自分が最初に滑り込んで、斜面に切れ込みをいれたはず。 そしてその結果。。。?
 やっぱりこれが、気が重〜い原因。。。   認識の甘さに猛省ですね。

 

 

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