谷川 : 東黒沢 〜 ナルミズ沢(大石沢出合まで)

日時 : 8月23日(土) 〜 8月24日(日)1泊2日
形態 : 沢登り   メンバ:2名 私 、Uchi

 予定は東黒沢から入りナルミズ右俣〜左俣下降、そして東黒沢を降りる上部周遊の「癒し系沢旅」のはずだったのだが。。。  結末は「忍耐・修行系?」だったかな。

8/23  小山 → 白毛門登山口 〜 東黒沢 〜 丸山乗越 〜 ナルミズ沢 〜 大石沢出合 幕 

 週の初めの予報では晴れマークが出ていた土日だったが序々に悪化。 冬で言う二つ玉低気圧みたいのが通過するようで雨の予報となる。 しかし降水量分布の予想を見ると、谷川辺りはエアポケットのようにそれほど降らなそうでもある。 これに望みを託して、予定通り小山→土合へと向った。

 白毛門登山口に着いた時は小雨。 案外、予想は当っているかも知れない、明日までこの状態が続けばいいが? カッパを着るほどの雨でもないのでそのままで、 7:40発

 沢に入ってしばらくして、
小雨でも、きれいなところですね。

8:05/15 ハナゲの滝
今日は、水量豊富。 落ち口手前で左の巻き道に入り越える。

 ここで、10人近い大パーティと出合う。 神奈川から沢登り教室で来ていて、ナルミズまでの予定だったが天気悪いので中止するとの事。 こんな天気でナルミズまで行こうというのはちょっと物好きかも知れないが、2人だし何とかなるかと先に進む事にした。

8:27
白毛門沢 出合

 水量は多いが遡行に支障をきたすほどではなく、楽しみながら順調にすすむ。

ミニゴルジュ
中の右壁沿いに越えた

ヒョングリ状、3m滝

8m?
右から巻く

スライド滝
今日は水量もあり見ごたえあります

ナメ床地帯

ナメ床の最後に
2段10m?

 この辺りまでが、東黒沢のハイライト。 その後は二俣に注意しながら進む。 最近は入る人が多いのか二俣の要所には赤布があり、特に問題もなく丸山乗越を越えてウツボギ沢に降りて行く。 明日ここを登り返すので、枝沢が合わさる度に確認していくが、こちらもほとんど赤布があり大丈夫そうだった。 ただ最後の一ヵ所だけ何もなかったので確認して降りる。
10:45/11:05 丸山乗越
11:30  ウツボギ沢出合
11:35  ナルミズ沢出合(広河原)
 ナルミズは川幅が広いので水量がそれ程あるようには感じなかった。 雨もほとんど気にならない程度、 割と気分良くナルミズを遡る。

ゴルジュ状
右の巻き道を行く。
もう10年以上前になると思うけど大きな事故があったのはここかも知れない。 気を引き締めて行く。

おおきな瀞をへつる

いい感じでナメが続く。
やっぱりナルミズはきれいですね。

ここもいい感じ

12:25 大石沢出合
 増水した場合を一応考えて登山道に逃げられる大石沢出合でビバークとする。 辺りを探してみると左岸沿いに3ヶ所、右岸に1ヵ所くらい良さそうな場所があった。 左岸の一番快適そうな場所に決めた。
 その後は、お決まりのマキ集め→焚火→宴会パターン。 最初はそのままだったが、途中で濡れるのが気になるのでシートを張り万全にした。 これで快適、楽しく飲めました。 就寝はUさん19時、私、21時でした。

8/24  大石沢出合 〜 広河原 〜 丸山乗越 〜 東黒沢 〜 白毛門登山口 

 翌朝は4時半起床。 一晩中小雨で本降りにはならなかったと思う。 まず火起ししてから沢の水位を見に行くが水位は昨日から変わっていない。 ラッキーこれで結構安心です。 稜線はガスっているのでナルミズを適当な所まで遡行してそのまま戻って来ようと朝飯を食べながら話していたのだが。。。

朝の焚火場

 朝飯を食べ終わった頃、雨脚が強くなり本降りとなる。 しばらく天気待ち、なるべく早く降りたほうが良いかと上を遡行するのは諦め、このまま降りる事にした。 決めたあと、もう少しノンビリしようかと残りのマキを燃やしはじめる。「このまま日がな一日こうやっていても良いよね〜」などと思うが帰らないとならないので、重くなった腰を上げる。

8:15 幕場発。 この雨で20cmくらい増水している。
 途中が危なそうなのでナルミズ下降はやめて、右岸の登山道を使って広河原まで降りる。

9:10 ウツボギ沢一ノ沢出合。
 ウツボギ沢も増水していたが、どうしょうもないと言うほどではなかったし水も澄んでいて濁りは無かった。  なので、「この程度なら東黒沢も大丈夫だろう」と安易な考えに陥る。

9:20 一ノ沢を丸山乗越へと遡る。  最初の二俣、目印は無い。 「アレッ、昨日確認したはず。 どっちだか忘れてしまった」。 Uさんに聞くと「ここは左、昨日確認したので覚えています」。 酒を飲んで忘れてしまった自分も悪いので半信半疑左に入る。
 少し遡ったところで、方向的には大体あっているのだがなんか様子が違う。 そうこしているうちに源頭になり、「やっぱり違っていた」。 

10:00 尾根に出る。 「困ったときのGPS」で位置確認。 一本左の沢を登ってました。 ここから丸山乗越まで、藪コギとなる。 (どうもこの辺りからケチの付け始め)

10:40 乗越の左上の尾根に出て、東黒沢へ向けて藪の中を下降。 程なく沢筋にでる。
 最初は水量はそれ程でも無かったが、支流を合わせる度に水量が増えてくる。 さらに下って行くと水が濁ってくる。 あんまり宜しくない。

12:00?頃  1040m付近の二俣。 ここを過ぎてしばらくすると「濁流」といった感じになり、もうダメです。
 「時間かかっても高巻きで降りるしかないですかね?」、仕方なく左岸の藪の中へ入っていく。 この辺りからGPSも入らなくなり、巻き始めた場所が特定できなかったが、大体の見当をつけておく。

15:00〜16:00頃 しばらくの間、藪の中をトラバース。 大きな支流を2本越えてきた。 今渡っている支流を越えれば、ハナゲの滝の先に出るかな? と、現在地は特定できなかったが希望的観測。 雨も気になる程は落ちてなく、沢の音も少しは穏やかになったようで一旦沢に降りてみる。が、未だ降りれるような状態ではない。
 少しは歩き易そうな右岸に渡渉して降りていく。 渡渉の時にヒョングリの滝らしき物が チラッと見えて、「もしかすると。。まだずっと手前?」と嫌な予感が走ったが、そのまま進む。 しばらくして大きなガレのルンゼに行く手を阻まれ、ガックリ! 左岸に渡渉も出来そうもなく。 巻くとしても200m位は登る大高巻きになりそう。 

16:15 ここで、かろうじてGPSが入り現在地が特定できた。 でも、いやな予感が当り想定していた中の最悪パターン。 まだ白毛門沢すら越えていない。 大高巻きするしかないか! 気落ちしてペースが上がらないが明るい内に白毛門沢を越えておかないとマズイのでなんとか頑張る。

18:00過ぎ? 白毛門沢を渡渉し小尾根を越える。 大高巻きの途中だったと思うが湯檜曽川の出合が見えたので少し安心。 程なく暗くなりヘッデン行動となる。 ここまで、何度か滑り落ちるヤラしいトラバースが続いていたが、暗くなっても、同じようなルンゼ状、小沢を渡る場面が続き気が抜けない。 

 足元も、その先もよく見えず、なんだかよく分からない藪コギトラバースを続けて行くと、ようやく傾斜が緩くなり、目も暗闇に慣れてきたようで楽になってきた。 あとは、下り気味に降りていけば右岸に伸びているはずの登山道に必ず出るはず。 そして、ほどなく道らしき所に出て一安心、白毛門登山口へ向う。

20:50 駐車場に到着。 残っていたのは我々の車だけ、お疲れさまでした。 なんとか無事に帰って来れました。
 雨降る中着替えを済ませ、ようやく人心地が付く。 温泉もこの時間ではどこもやってなく、そのまま、ところどころ大雨の関越・北関東道と車を走らせる。 
23:30頃 小山着。 自宅 24:00頃

 いくつかの判断ミスで「修行系」の下降になってしまったが、久しぶりに痺れるような山行でした。
反省文は後で書くとして、いちばんの問題は「東黒沢は何度も来ている」という、妙な「安心感と油断」。
これでしょうね?  相棒が体力抜群のUさんで良かった。

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